関西大学≪秋の飛鳥史学文学講座≫萬葉集の名歌一~巻一、巻頭歌をよむ~受講体験

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3月に続いて、9月13日に関西大学の飛鳥史学文学講座を受講してまいりました。
30年講座に通い続けていらっしゃるK様から、封書で万葉集の一節のコピーと共に、講座へのお誘いを頂きましたことがきっかけでした。

ご講師は関西大学文学部教授の大濱眞幸教授、講座名は「萬葉集の名歌一~巻一、巻頭歌をよむ~」です。前回もご一緒させて頂きましたS様からは、『大濱眞幸教授は、万葉集の歌をいくつか取り上げて、なんでもないと思われる表現の中に込められた様々の史実や人間関係を巨細に分析されて、新しい理解と知見を得てゆくという、まさに研究者らしい研究をなさっておられる先生です。』とメールを頂き、当日を楽しみにお伺い致しました。

大濱先生は、冒頭で『日本の著名な文学の書き出しは、いずれも印象に残る名文が多いことを挙げられ、萬葉集巻第一 雄略天皇御製歌を声に出して詠んで下さいました。ご講義の間、何度も詠み上げて下さることで、目で追う字よりも、耳から入ってくる音の中に、万葉の時代のおおらかさや、やさしさやあたたかさを心地よく感じました。

籠(こ)もよ み籠持(こも)ち ふくしもよ
みぶくし持ち この岳(をか)に 菜採(なつ)ます児(こ)
家告(いへの)らせ 名告(なの)らさね
そらみつ 大和の国は 押しなべて 我(われ)こそ居(を)れ
しきなべて 我こそいませ
我こそば 告らめ 家をも名をも

一首全体のまとめの中で、「歌のことば」=「知の力」=「文化」というご説明があり、細やかなご解説から、『萬葉集』という歌集の巻頭を飾るにまことに相応しく、まためでたくある王者の歌という結論に、得心が行きました。中学生の頃からいつも本棚にあった旺文社の万葉集を、もう一度読み返して、言葉の持つ力に浸ってみたいと思いました。

駅までの帰り道、大和の枕詞の「そらみつ※」という言葉の響きが気に入って、そらんじてみました。※『神武紀』三十一条に饒速日命(にぎはやひのみこと)が天(あめ)の磐船 (いわふね)に乗って、空から大和を見下ろして「虚空見(そらみつ)日本国(やまとのくに)」と言った=「大和の国」を鳥瞰的に捉え、その広大さを讃えた表現か。(当日のテキスト【資料6】第二段落について《参考》より)

「そらみつ 大和の国は 押しなべて 我(われ)こそ居(を)れ
しきなべて 我こそいませ」

言葉が歌になって鳥になり、上空から風をおこして稲穂を躍らせ、大地の香気をあたり一面に放ち、はじまったばかりの秋の明日香路をより思い出深いものにしてくれるようでした。風景が意味を持つとき、思い出の中により鮮やかに刻み込まれることを教えて頂いた一日でした。

関西大学飛鳥史学文学講座の詳細はこちらから
http://www.kansai-u.ac.jp/pa/asuka/index.html